美しき湾、ハナレイ・ベイで死んだ息子。
私は、彼のことが好きではなかった。

それは突然の知らせだった。
ピアノバーのオーナーでシングルマザーのサチは、
息子タカシが、ハワイのカウアイ島にある
ハナレイ・ベイで亡くなったことを電話で知る。
サーフィン中の事故で、大きな鮫に襲われて死んだという。

サチはハナレイ・ベイに向かい、もの言わぬ息子と対面を果たした。

息子の遺骨と共に日本へ帰ろうとした矢先、彼女はふと足をとめ、
息子が命をおとしたハナレイ・ベイへと向かう。

サチはチェアを持って海岸に行き、本を読んで時間を過ごした。
時折、じっと海を見つめながら。
毎年、この「行為」は続いた。
タカシの命日の時期にハナレイ・ベイを訪れ、数週間過ごすのだ。
同じ場所にチェアを置き、10年間。
だが、彼女は決して海には近づかない。

そんな時に出会った、人の若い日本人サーファー。
まだ世間知らずな彼らに息子の姿をダブらせるサチ。
そんな時、人から〝ある話〟を耳にする。
「赤いサーフボードを持った〝 右脚のない日本人サーファー〟がいる」と…

これは、<人生で一番大切な人> に会いたくなる、希望の物語。